二世帯住宅を平屋で建てる!間取りの工夫と成功のポイント

二世帯住宅を平屋で建てる!間取りの工夫と成功のポイント

親世帯と子世帯が心地よく暮らすための二世帯住宅は、二階建てでないと建てられないと思っていませんか?

実は、二世帯住宅は平屋でも建てることが可能で、階段のない安心感や生活動線の短さから人気が高まっています。⁠しかし、平屋ならではの間取りの工夫や、土地・費用面での注意点もあります。

そこで今回は、平屋二世帯住宅のメリットや人気の間取り例、必要な土地の広さ、失敗を防ぐポイントまでをわかりやすく解説します。これから二世帯住宅を検討している方はぜひ参考にしてください。

二世帯住宅を平屋で建てることは可能です。ただし、メリットも多いですが、注意してほしい点もいくつかあります。

二世帯住宅を平屋で建てる最大の魅力は、生活動線の短さと家族との距離感の近さです。階段がないため、子どもから高齢者まで安心して暮らせ、掃除や家事の移動もスムーズです。

特に親世帯にとっては、階段の昇り降りが不要で暮らしやすい点が、大きな安心材料になるでしょう。

また、平屋は構造的に安定しやすく、耐震性にも優れているのが特徴です。すべての部屋が同じフロアでつながっているため、家族の気配を感じやすく、自然とコミュニケーションも増えます。

さらに、中庭やウッドデッキを設ければ、外と内のつながりを楽しめる、開放的な住まいにすることも可能です。

平屋二世帯住宅の魅力と人気の理由

一方で、平屋二世帯住宅には注意すべきポイントもあります。最大のハードルは必要な土地の広さです。⁠延べ床面積を確保するためには、より広い土地が必要となり、都市部では条件に合う土地を探すのが難しい場合もあるでしょう。

また、安定していて、地震には強いものの、水害のリスクは高くなります。万が一、浸水した場合、上の階に逃げることができません。特に、高齢者がいる場合は避難に時間がかかりますので、注意が必要です。

さらに、プライバシーの確保や日当たりの調整も設計段階での工夫が不可欠です。

平屋の二世帯住宅には、大きく分けて3つの間取りの種類があります。

完全同居型は、玄関やキッチン、浴室などの設備を共用しながら、それぞれのプライベート空間を持つ間取りです。平屋の場合、家族全員がワンフロアでつながるため、自然と顔を合わせやすく、家事の分担や食事の準備なども効率的に行えます。

寝室や書斎などの個室を世帯ごとに分けることで、生活リズムの違いにも対応可能です。

1.完全同居型

完全分離型は、玄関や生活設備をそれぞれの世帯が独立して持つスタイルです。生活空間が完全に分かれているため、音や生活時間の違いによるストレスが少なく、それぞれの世帯が自立した暮らしを送りやすくなります。

平屋で完全分離型を採用する場合は、広めの土地が必要ですが、プライバシーを重視する家庭には最適な間取りです。

たとえば玄関のみ、リビングのみなど、設備の一部を共有し、それ以外はブライバシーを守れるように個別にするパターンです。⁠同居型と分離型の中間といえるでしょう。どこを共有するかは、家族の話し合い次第です。

3.部分共有型

限られた敷地、費用の中で快適な平屋の二世帯住宅を建てるためのコツをご紹介します。

平屋の二世帯住宅では、家の中央に中庭(パティオ)を設ける「コの字型」や「ロの字型」の間取りが人気です。中庭があることで、どの部屋にも自然光が届き、風通しも良くなります。

また、世帯ごとの動線を分けながらも、共通の屋外スペースとして中庭を共有できるため、適度な交流が生まれやすくなります。

コの字型、ロの字型で中庭を作る

完全同居型の場合でも、寝室の位置を離すことで、生活音やプライバシーへの配慮ができます。廊下や収納スペースを間に挟むことで音が響きにくくなり、就寝時間の違いによるストレスを軽減できます。

平屋は縦のスペースを活かしやすい構造です。天井を高くしたり、勾配天井を採用すしたりることで、面積以上の開放感を感じられます。ロフトや小屋裏収納をつくれば、収納力も向上するでしょう。

一つの部屋が狭くても高さを出して開放感

敷地に余裕があれば、別棟型の完全分離型二世帯住宅も選択肢のひとつです。生活空間を完全に分けることで、音や生活リズムの違いによる干渉がほぼなくなり、それぞれの世帯が独立して暮らせます。

二世帯の間に中庭や共用のウッドデッキを設ければ、適度な交流を保てます。

平屋はもともとバリアフリーに適した構造ですが、廊下幅を広く取る、段差をなくす、引き戸を採用するなど、将来の介護や高齢期を見据えた設計がおすすめです。

特に二世帯住宅では、親世帯が高齢になる可能性を考え、早い段階でバリアフリー仕様を取り入れると安心です。

将来を考えてバリアフリーにする

2世帯住宅を平屋で建てるとなると、それなりの広さの土地が必要となります。ただし、間取りのタイプや同居の人数によっても適した面積は違います。

二世帯住宅のタイプによって延べ床面積と必要な敷地面積は変わります。たとえば、親世帯と子世帯を完全に独立させたい「完全分離型」では、玄関・水回りを各世帯別に設けるため、延べ床面積がより大きくなり、敷地にも余裕が必要です。

都市部では広い土地の確保が難しいため、その土地の面積や形にあわせて柔軟に対応できるプラン設計が重要です。

対して、玄関やキッチンを共有する「同居型」では、共用スペースがある分、延べ床面積を抑えられ、コンパクトな敷地でも対応可能です。

国土交通省による「住生活基本計画」では、世帯人数に応じた最低・誘導居住面積水準を示しています。

【最低居住面積水準】
2人世帯=30㎡、4人世帯=50㎡

【誘導居住面積水準(ゆとりある暮らし)】
・都市型= 2人世帯55㎡ / 4人世帯95㎡
・一般型= 2人世帯75㎡ / 4人世帯125㎡

(参考:https://www.mlit.go.jp/common/001098415.pdf?utm_source=chatgpt.com)

親世帯2人+子世帯4人の合計6人になる二世帯住宅であれば、少なくとも80㎡(24坪)以上、ゆとりを持つなら150〜200㎡(45〜60坪)前後の延べ床面積を想定すると快適です 。

建物を建てるには、これに加えて敷地余白(庭・駐車場・通路等)が必要なので、土地面積は延べ床面積の1.2〜1.5倍程度を目安にすると安心です。

【二世帯住宅のタイプ別・人数別の必要床面積目安】

世帯構成最低面積(㎡)ゆとりのある面積(㎡)延べ床目安(㎡)土地目安(㎡)
親世帯2人のみ約30㎡約55〜75㎡親世帯55〜75㎡約70〜110㎡(20〜33坪)
親2人+子世帯4人約80㎡約150〜200㎡150㎡前後約180〜300㎡(約55〜90坪)

二世帯住宅を平屋で建てるのは、2階建てで建てるよりも難しい面があります。以下のポイントを押さえておきましょう。

二階建てであれば限られた土地でも延べ床面積を稼げますが、平屋ではワンフロアに全ての生活空間を配置する必要があります。そのため、建物の占有面積が広くなり、駐車スペースや庭などの屋外スペースを取るのが難しくなります。

また、土地価格が高い都市部では、広い敷地を取得するための費用も高額になります。土地探しの段階で計画が難航するケースも少なくありません。都市部での平屋二世帯住宅は、土地の広さと価格の両面で慎重な計画が必要です。

都市部で十分な広さを確保するのは難しい

平屋は二階建てに比べて、基礎工事と屋根面積が広くなるため、建築費用が割高になる傾向があります。たとえば同じ延べ床面積の住宅でも、平屋は屋根材や外壁材の使用量が増え、工事の手間もかかります。さらに、敷地が広い場合は外構工事の範囲も広くなり、追加費用が発生することもあります。

このため、建築費を抑えたい場合は間取りや仕様の工夫が必要です。たとえば、
・共用スペースを有効活用して延べ床面積を抑える
・屋根形状をシンプルにする
・設備を共用する
などで、コストダウンが可能です。

平屋の方が建築費用は高くなる傾向

二世帯住宅は、間取りや設計の自由度が高い一方で、世帯間の距離感や生活動線、将来のライフスタイル変化を見据えた設計が必要です。特に平屋の二世帯住宅は、敷地条件や費用面での検討が欠かせません。

石井工務所は、地元の気候や土地事情を熟知した完全自由設計の家づくりを得意としています。コの字型・ロの字型など平屋に適した間取り提案はもちろん、バリアフリー設計や収納計画、採光・通風を考えた配置など、暮らしやすさとデザイン性を両立した二世帯住宅を実現します。

また、「土地が狭いけれど平屋にできる?」「建築費を抑える方法は?」といった疑問にも丁寧にお答えします。理想の二世帯住宅を叶えるパートナーとして、家づくりの最初の一歩からお任せください。

平屋の二世帯住宅は、階段のない安心感や生活動線の短さなど、多くのメリットがあります。一方で、広い土地が必要になったり、建築費が高くなったりする傾向があるなど、計画時に注意すべきポイントもあります。

この記事では、平屋二世帯住宅のメリット・注意点から、間取りの工夫、必要な土地面積の目安などをご紹介しました。

二世帯住宅は家族の絆を深めながら、それぞれの暮らしやすさも確保できる住まいです。もし平屋での二世帯住宅をお考えなら、豊富な実績と柔軟な提案力を持つ石井工務所にぜひご相談ください。理想の暮らしをカタチにするお手伝いをいたします。

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