注文住宅で実現するバリアフリー・家族みんなが笑顔になる家づくり

注文住宅で実現するバリアフリー・家族みんなが笑顔になる家づくり

注文住宅を建てるなら、将来を見据えてバリアフリー設計を取り入れたいと考える方が増えています。今は健康でも、今後どうなるかは、誰にもわかりませんから、将来の暮らしやすさを考えた家づくりが重要です。

しかし、「どこをどうバリアフリーにすればいいの?」「バリアフリーって具体的に何をすればいいの?」と悩む方も多いでしょう。

そこで今回は、注文住宅でバリアフリーを実現するための基礎知識から、場所別の設計ポイントまで詳しく紹介します。補助金制度や費用を抑えるコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

バリアフリー注文住宅を建てる際には、どのような設計が本当に必要かをしっかり理解しておくことが大切です。

バリアフリー設計は、単に高齢者や障がいのある方が生活しやすいように配慮するだけでなく、すべての人が安全かつ快適に、そして長く住み続けられる住まいを目指す、ユニバーサルデザインの視点が必要です。

ユニバーサルデザインとは、年齢や能力、文化や言語の違いに関わらず、できるだけ多くの人が利用しやすい製品や環境をデザインするという理念です。

バリアフリー住宅は、単に高齢者や障がいのある方のためだけではありません。現在健康な人でも、将来的にライフスタイルや身体状況が変わる可能性を考慮し、住み続けられる家を作ることが重要です。

バリアフリー設計を取り入れることで、将来的に安心して暮らせるだけでなく、日常生活もより快適になります。具体的なメリットは、以下のとおりです。

・転倒やケガのリスクを減らせる
・家族みんなが使いやすい家になる
・将来の介護にも対応しやすい

段差をなくし、滑りにくい床材を使い、手すりを設けることで、つまずきや転倒の危険をグッと減らせます。高齢の方だけじゃなく、小さなお子さんや妊娠中の方にも優しい設計です。

また、引き戸にすればドアの開け閉めが楽になったり、段差ゼロ、広い通路で動線がスムーズになったりします。こうした「ちょっとした動きの負担」が減るだけで、毎日のストレスが確実に減ります。

体だけでなく、気持ちも穏やかになれるのがバリアフリーの住宅です。

では具体的に、どのような対策をすれば良いのか、エリアごとに見ていきましょう。

玄関は、住まいの顔であり、毎日必ず通る場所です。バリアフリー化においては、最初に検討すべき重要なエリアの一つです。

【玄関】
・段差の解消:スロープを設置したり、上がり框(あがりかまち)の高さを低くしたりする
・ドアの形状:引き戸を採用することで、開閉スペースが少なく、使いやすくなる
・広い間口の確保:車椅子での出入りを考慮し、玄関ドアの有効幅は80cm以上確保することが望ましい
・収納スペース:腰掛けスペースを設けたり、傘立てや手荷物などを置けるスペースを確保したりする

【廊下】
・十分な幅の確保:車椅子での移動を考慮し、廊下の幅は90cm以上確保することが理想
・手すりの設置: :廊下の両側に手すりを設置する
・床材:木材やビニール床材など滑りにくく、歩きやすい床材を選ぶ

玄関から廊下

リビング・ダイニングは、家族が集まる中心的な空間です。誰もが快適に過ごせるよう、広さや動線に配慮したバリアフリー設計を考えます。

・広々とした空間設計にする
・段差のないフラットな床にする
・出入り口は、開閉スペースを取らない引き戸がおすすめ
・テーブルやソファは、車椅子に座ったままで使えるように高さを調整する

リビング・ダイニング

コンセントの位置が意外と大事で、コードが邪魔にならないように、必要な場所に必要な数だけコンセントを設けます。

一般的な住宅では、コンセントの高さは床から約25cm前後ですが、バリアフリー住宅ではもう少し高く設置するのが基本です。40〜50cmは、車椅子のひじ位置に近く、車椅子に座った状態でも無理なく手が届く、操作性が良いベストポジションです。

キッチンは、家事の中心となる場所です。バリアフリー化することで、誰もが安全かつ快適に調理を楽しめるようになります。

車椅子を使用する方や、立ったまま作業するのがつらい方のために、作業台の高さを調整できるキッチンを選ぶと便利です。一部を低くしたり、昇降式の作業台を設けたりするなどの工夫も考えられます。

キッチン

引き出し式の収納や、昇降式の棚を設けることで、奥の物も取り出しやすくなります。吊り戸棚は、電動で昇降できるタイプも便利です。

車椅子を使用する方がいる場合は、シンク下やコンロ下のスペースを空けておくと、足を入れることができ、作業しやすくなります。

トイレや浴室は、転倒事故が起こりやすい場所です。安全に配慮したバリアフリー設計が特に重要になります。

【トイレ】
・広いスペースの確保:車椅子での利用を考慮し、便器の左右や前方に十分なスペースを確保する
・手すりの設置:便器の両側または片側に手すりを設置する
・便器の選び方:立ち上がりやすい高さの便器や、温水洗浄機能付きの便器を選ぶ
・ドアの形状:開閉スペースを取らない引き戸にする
・緊急呼び出しボタンの設置

【浴室】
・洗い場の広さ:シャワーチェアなどを置けるような広さ
・浴槽の選び方:またぎやすい高さの浴槽や、ステップ付きの浴槽を選ぶ
・段差のないフラットな入口
・シャワーと水栓:座ったまま使えるシャワーや、温度調節がしやすいサーモスタット式の水栓を選ぶ
・手すりの設置
・滑りにくい床材

内開きの場合は、倒れた人がドアに寄りかかって開けられなくなるため、危険です。引き戸にできないときは、外開きにするか、中折れ戸などを検討します。

トイレ・浴室

階段は、移動の際に大きな負担がかかる場所です。安全性を最優先に考えた設計が必要です。

・緩やかな勾配と段差
・手すりの設置
・滑り止め加工
・フットライトの設置

将来、階段の登り降りができなくなる可能性も考慮して、階段昇降機の設置も検討しておきます。

階段

寝室は、一日の疲れを癒す大切な空間です。快適に過ごせるよう、バリアフリーにも配慮しましょう。

・出入り口の幅:車椅子での移動を考慮し、出入り口の幅を広く確保する
・ベッド周りのスペース確保::十分なスペースを確保することで、車椅子での移動や、介助が必要になった場合でも対応できる
・緊急呼び出しボタンの設置:万が一の事態に備え、ベッドサイドに緊急呼び出しボタンを設置すると安心です。

寝室

屋外のバリアフリー対策も、住まいの快適性を高める上で重要です。

・アプローチの段差解消
・駐車スペースを広めに確保し、玄関までの動線をスムーズにする
・庭に出入りしやすいように、段差をなくしたり、歩きやすい素材で通路を作ったりする

バリアフリーの概要がわかったところで、実際に計画を進めていく時の注意点についてお話しします。

家族全員が快適に生活できる家を作るためには、各メンバーのライフスタイルやニーズをしっかりと把握することが不可欠です。

家族の中には、子ども、親、そして場合によっては親戚などの多世代が一緒に住むこともあります。それぞれの意見や希望をしっかり聞く、対話と調整が欠かせません。

また、家族だけで話し合うだけでなく、建築士や福祉住環境コーディネーターなどの専門家を交えて意見交換をすることも有効です。専門的な知識や視点から、家族の要望を叶えるための具体的な提案やアドバイスを得ることができます。

話し合った内容や決定事項は、メモや図面などに記録しておきましょう。後々の認識のずれを防ぎ、スムーズに家づくりを進めるために役立ちます。

家族の意見をしっかりと聞き取る

バリアフリー設計は、実際にどのように実現するかを具体的にイメージすることが重要です。ショールームや見学会に参加することで、バリアフリー対応のキッチン、トイレ、浴室など、さまざまな設計や設備を実際に目で見て、触れて、体験することができます。

たとえば、車椅子で実際に動いてみたり、手すりの使い勝手を確認したりすることで、イメージがより明確になるでしょう。

ショールームや見学会に行く前に、家族全員の意見を元に「どんな機能が欲しいか」「どんな点が気になるか」を整理しておくと、見学中に確認すべきポイントが明確になります。

バリアフリー住宅を建てる目的は、単に「今」便利に生活することだけでなく、将来も快適に住み続けられる家を作ることです。

現在は必要なくても、将来的に必要になる可能性のある設備のための準備をしておきます。たとえば、手すりを設置するための下地を壁に入れておく、階段昇降機を設置できるスペースを確保しておく、などが挙げられます。

また、子どもが成長し、生活スタイルが変化することを考慮して、可変的な間取りを取り入れ、必要に応じて部屋の使い方を変更できるようにしておくと便利です。

バリアフリー注文住宅を建てる際に、費用を抑えるための工夫は非常に重要です。バリアフリー設計は基本的に特別な工夫が必要なため、費用が高くなりがちですが、適切に費用を管理することで、理想の家を手に入れながらも予算を守ることができます。

一般的に、バリアフリー仕様を追加することで、通常の注文住宅の建築費用に10%〜20%程度の上乗せが見込まれます。たとえば、3000万円の注文住宅の場合、バリアフリー仕様を加えることで3300万円〜3600万円程度になる可能性があります。

とはいえ住宅の面積が広くなるほど、バリアフリー対策が必要な範囲も広がるため、一概にはいえません。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。

費用の相場

バリアフリー設計は、必ずしも特別な設備や高価な仕様を必要とするわけではありません。たとえば引き戸にしたり、手すりを設置したりするくらいなら、特別高額な工事は必要ないため、標準仕様で対応できる場合があります。

標準使用でできることとできないことを、まず確認しましょう。

バリアフリーにする際、条件次第で使える補助金制度があります。

【高齢者住宅改修費用助成制度(介護保険制度)】
手すりの設置や段差の解消、滑り防止を目的とした床材の変更など。介護保険の制度なので、支給限度基準額は20万円で、自己負担は1〜3割となっています。

【自治体独自の補助金制度】
多くの自治体では、介護保険制度とは別に、独自の補助金制度を設けています。たとえば東京都板橋区の場合、手すりの取り付け、浴槽や流しの取り替えなどの費用が補助されます。

自治体によって、補助金の名称や内容、申請方法が異なりますので、お住まいの自治体の窓口や公式ウェブサイトで詳細をご確認ください。

補助金制度の活用

バリアフリー住宅を建てたいとお考えなら、地域密着で信頼と実績のある石井工務所にぜひご相談ください。ご家族一人ひとりの将来を見据えた、安心・快適な住まいをご提案いたします。

使いやすさだけでなく、暮らしの美しさや心地よさにもこだわり、完全注文住宅ならではの柔軟な設計が可能です。

介護や将来の変化に備えた家づくりも、経験豊富なスタッフが親身にサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

バリアフリー住宅は、高齢者や介護を必要とする方だけでなく、すべての家族にとって安心で快適な住まいを実現するものです。注文住宅ならではの自由な設計を活かし、将来を見据えた柔軟なプランを取り入れることで、長く安心して暮らせる家が完成します。

段差のない設計、手すりの配置、使いやすい生活動線などひとつひとつの工夫が、日々のストレスを減らし、暮らしの質を高めます。後悔のない家づくりのためにも、早めの計画と専門家への相談が成功への第一歩です。

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