床下暖房とは?仕組みやメリット、後悔しがちなポイントを徹底解説

床下暖房とは?仕組みやメリット、後悔しがちなポイントを徹底解説

少しでも足元を暖かくしたいと、床下暖房を取り入れようかと検討しているものの、床暖房とどう違うのか、デメリットはないの?など、不安もありませんか?

床下暖房は、床暖房とは異なり、家全体をやわらかく包み込むように暖めてくれるのが特長です。しかし、断熱性や設置条件によっては、思ったように効果が得られないケースもあり、注意が必要です。

そこで今回は、床下暖房の仕組みやメリット・デメリット、後悔しないための注意点をわかりやすく解説します。床暖房との違いや、施工先を選ぶ際のポイントもご紹介しますので、床下暖房の設置をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

床下暖房とは、床下空間に温風を送り込むことで、住まい全体を間接的に暖めるシステムのことです。

このシステムの特徴は、局所的な暖房ではなく、家全体を「じんわり」と包み込むように暖められることです。床下の空気を温めることで床が冷えにくくなり、家の中の温度差を抑える効果も期待できます。

床下に設置する暖房器具には、エアコンやFF式ストーブなどがあり、エアコンを設置している場合は、「床下エアコン」と呼ばれることもあります。

床下暖房とは床下から暖かい空気を部屋全体に循環させる暖房システムのこと

床下暖房と似ているものに「床暖房」がありますが、まったく違うシステムです。

・床下暖房:床下空間に温風を送り、床から部屋全体を暖める方式。家全体の空気を穏やかに暖めるのが特長
・床暖房:床材の下に温水パイプや電熱線を通し、床そのものを暖める方式。足元から直接、熱が伝わるため、体感温度が高く即効性もある

床暖房は部分的な設置が可能ですが、床下暖房は家全体の構造(特に断熱・気密)に大きく左右されるものです。導入するのであれば、設計段階から検討が必要です。

床下暖房は、床暖房のように床そのものを高温にする方式ではないため、足元の強いぬくもりを重視する方には、物足りなく感じる場合があります。

一方で、室内に強い温風を吹き出さないため、風が直接体に当たらず快適です。エアコン暖房と比べると乾燥感が少ないと感じる方も多く、「エアコンの風が苦手な人」にも好まれています。ただし、暖房全般にいえるように、加湿のための対策は必要です。

床下暖房のメリットは、なんといいっても空気のきれいさ、快適さでしょう。

床下暖房の魅力は、包み込まれるような暖かさです。床下に温風を送り、床材越しにじんわりと熱を伝えることで、部屋全体がムラなく暖まります。エアコンのような強い風を感じることがなく、快適な室温がキープされるのが特長です。

また、上下の温度差が小さくなるため、「顔は暑いのに足元が冷える」といった不快感が起きにくく、家中どこにいても同じようなぬくもりを感じられます。

家全体がやわらかく暖まる

エアコンをつけていると、肌や喉の感想が気になる方も多いと思いますが、床下暖房なら、床下から自然な対流で部屋を暖めます。肌や喉への負担が少なく、とても快適に過ごせます。

また、エアコンの空気でホコリや花粉を巻き上げることがなく、アレルギー体質の方やペットのいる家庭にも向いています。

空気がきれいに保たれる

床暖房を設置する場合、対応できるフローリングや素材が、制限されてしまうことがあります。その点、床下暖房は「床の下」に熱源を設けるため、床材を選びやすく、無垢材やタイルなども使いやすいというメリットがあります。

デザイン性の高いインテリアを重視したい、床にもこだわりたい人にとっても、取り入れやすい暖房方式といえるでしょう。

床下暖房は、床材に施工する床暖房と比べて、導入コストが安くなることが多いです。床下に設置する専用エアコンやダクトが主であり、新築時に住宅の断熱性をしっかり確保できていれば、少ない設備投資でも、快適な家づくりが可能です。

また、1台の床下エアコンで家全体を暖められる設計にすれば、複数の暖房器具を使わずに済むという点もメリットです。大きな省エネ効果が期待できます。

さらに、床下エアコンは光熱費がかさむ心配もありません。 高断熱・高気密の住まいで運用すれば、少ないエネルギーで家全体を効率よく暖められ、冬でも安定した快適さを得ることができます。

初期費用・光熱費が比較的抑えられる

下暖房のメリットだけでなく、デメリットについても理解しておきましょう。

どのくらい暖かいと感じるかは、正直、人それぞれです。床暖房のように「床そのものがポカポカする」感覚を求めると、床下暖房では物足りなさを感じる場合があります。

施工管理技士からのアドバイス
床下暖房は一度使い始めたら、スイッチは切らないことがコツです。途中で切ると、立上りで大きな電力がかかるのと、つけっぱなしでもエアコンの電気代はエコキュートで暖めているので、電気代はあまりかかりません。

エアコンの風が苦手な方

床下暖房は、断熱性・気密性が確保された家でこそ真価を発揮するシステムです。床下の熱が外に逃げやすい構造や、隙間が多い住宅では、十分な暖かさが得られません。

リフォームで床下暖房を後付けするのは、断熱性・気密性や床下空間の条件によって難易度が高くなりがちです。古い住宅では床下や基礎の断熱補強が必要となり、工事規模や費用が大きくなることがあります。また、床下が狭い・点検口がない場合は施工が難しく、場合によっては床を剥がす作業が必要になることもあります。

ただし、近年はリフォーム対応の床下暖房システムも増えており、断熱補強や点検口の新設を行えば導入できるケースもあります。まずは事前調査で床下の状態や断熱性能を確認することが重要です。

床下エアコンを設置する場所は、暗く、狭い空間のため、メンテナンスの頻度や負担を考慮して設計しておかないと、トラブル時の対応が難しくなることもあります。

ダクトの清掃や、フィルター交換がしやすい構造になっているかどうかも、導入前に必ず確認しておきたいポイントです。

床下暖房は住宅の断熱性と気密性が重要ですから、高断熱・高気密の家に向いています。

床下暖房の性能を最大限に活かすには、「熱を逃がさない家」であることが大前提です。高断熱・高気密仕様の住宅であれば、床下の温風がしっかりと室内に伝わり、少ないエネルギーでもしっかりと家中が暖まります。

特に、ZEH住宅や、省エネ性能を重視した住宅との相性は抜群です。

高断熱・高気密の新築住宅

平屋や、主に生活する場所が1階である生活スタイルなら、1階全体を温める設計にすれば、複数の部屋に暖房器具を置く必要がありません。

逆に、2階建てや3階建てで、各階に暖房が必要な場合は、間取りの工夫や、床下暖房以外の補助的な暖房器具が必要になってしまいます。

平屋や1階がメインの生活スタイル

エアコンの温風が直接肌に当たるのが苦手というお悩みをお持ちの方にも、床下暖房はおすすめです。エアコンから直接風が出てこないので、空気が穏やかに循環し、快適に過ごせます。

また、小さなお子さんや高齢のご家族がいる家庭、ペットを飼っている家庭でも、静かでやさしい暖房は大きなメリットになるでしょう。

エアコンの風が苦手な方

床下暖房と床暖房、どちらが良いか迷ったら、以下のポイントを比較してみてください。

床暖房は、温水式・電気式ともに初期コストが高くなる傾向があります。とくに温水式の場合は、配管工事やボイラー設置が必要で、施工が大がかりになりやすいです。

一方、床下暖房は専用エアコンと床下空間を活用するだけなので、比較的リーズナブルに導入できます。できるだけ初期コストを抑えたいとお考えなら、床下暖房の方が向いています。

ただし、どちらも住宅の断熱性能によってランニングコストに差が出るため、気密・断熱を強化することが前提条件となります。

床暖房は足元に直接熱が伝わるので、床がぽかぽかして気持ちいいと感じる人が多いです。冷え性の方には特に好評です。

一方の床下暖房は、床の表面はほんのり暖かい程度ですが、空気がやわらかく循環しているので、家全体が穏やかに暖まるのが特長です。

足元が直接暖かい方がいいか、それとも自分の周囲の空気がほんわりと暖かい方がいいか。求める暖かさの質で比較してみてください。

石井工務所の注文住宅といえば、床下にエアコンを設置した「全館暖房」です。

床下暖房は、ただ「設備を入れればよい」というものではありません。高気密・高断熱設計、床下の空間構成など、住まい全体の性能設計と密接に関係しています。

こうしたリスクを防ぐには、床下暖房の施工実績が豊富な工務店に相談することが重要です。

石井工務所では、床下エアコンを活用した「全館暖房」の注文住宅を数多く手がけており、断熱性能・気密性を重視した住まいの設計に定評があります。

「床下暖房に興味はあるけれど、自分たちの家に合うか不安…」という段階でも大丈夫。現地調査をふまえたプランニングや、施工事例もご紹介しますので、ご興味のある方は、ぜひお気軽に石井工務所までお問い合わせください。

床下暖房だけでなく、間取り・収納・家事動線まで含めた総合的なご提案をさせていただきます。

床下暖房は、床下に温風を送り込むことで、家全体をじんわりと暖める新しい暖房スタイルです。床暖房のように、直接足元を暖めるわけではありませんが、空気がやさしく循環し、快適な暖かさが魅力です。

一方で、断熱・気密性能が低い住宅や、設計段階での検討が不十分な場合には、効果を感じにくいこともあるため注意が必要です。導入を検討する際は、床暖房との違いをしっかり理解し、自分たちの暮らし方に合った方式を選ぶことが大切です。

そして何より、信頼できる施工会社と相談しながら進めることが、後悔しない家づくりの第一歩です。ご興味のある方は、ぜひ一度、床下暖房の実績が豊富な石井工務所にご相談ください。

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