注文住宅は、自分だけの理想の住まいを叶えることができます。しかし、同時に、様々なオプションが用意されており、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
「あれも欲しい、これも欲しい」と、ついついオプションに目が行ってしまいがちですが、「あれはなくてもよかったかも…」と後悔するケースもあります。
そこで今回は、実際に注文住宅を建てた方の声を参考に、注文住宅でありがちな「いらないオプション」について解説します。無駄な費用を抑え、後悔のない家づくりを実現するためのヒントとしてぜひ参考にしてください。
注文住宅でいらないオプションてどんなもの?
注文住宅で「いらないオプション」とされるものには、以下のような特徴があります。
標準仕様で十分な設備
多くの場合、注文住宅の標準仕様には十分な機能が備わっており、オプションを追加しなくても快適に生活できます。
たとえばハイグレードなキッチンに憧れる人は多いと思いますが、標準仕様のシステムキッチンでも十分使い勝手が良い場合があります。
大理石など特別な天板素材や高額な食洗機のサイズアップは、おしゃれではあるものの、その価格は実際の使用頻度に見合わないことも多いです。
あったら便利程度で意外と使わない機能
「便利そう」と思って選んだものの、実際にはほとんど使わず、無駄になりがちな機能もあります。
浴室のテレビはその良い例です。「お風呂でリラックスしながらテレビを見たい」と思って取り付けても、実際にはほとんど使わない人が多い設備のひとつです。
スマホやタブレットがあれば代用可能なため、オプションとして追加する必要はないかもしれません。
後からでも取り付け可能な設備
注文住宅の施工時には取り付けなくても、住んでから必要に応じて追加できるものは、優先度を下げても良いでしょう。
太陽光発電パネルなどは、技術の進化や補助金制度の変化を考えると、後から設置する方が有利になる場合もあります。
特に予算が厳しい場合は、設置スペースだけを確保しておくのもひとつの方法です。
なぜ注文住宅のオプション選びで失敗してしまうのか?
注文住宅のオプション選びで失敗してしまう理由には、以下の2つが大きく関係しています。それぞれ詳しく解説します。
予算オーバーの原因となる心理
注文住宅は一生に一度の買い物という意識が強く、冷静な判断が難しくなる場合があります。注文住宅は自由設計が魅力ですが、それが「どうせ建てるなら最高のものを」という心理につながりがちです。
その結果、本来の予算に見合わない高価なオプションを選んでしまうことがあります。
また、モデルハウスや展示場で見た高機能な設備を基準にしてしまい、標準仕様では物足りなく感じてしまうことがあります。
特に営業担当者から「人気の商品」や「今なら割引」のような提案をされると、必要以上に高価なオプションを選んでしまいがちです。
「あったら便利」「なくても困らない」の違いがわかっていない
注文住宅のオプション選びで後悔するもう一つの理由は、「あったら便利」と「なくても困らない」の区別がついていないことです。オプションを選ぶ際に、「あったら便利」という理由だけで選んでしまうと、後々「なくても困らなかった」と後悔する可能性が高いでしょう。
「あったら便利」とは、生活が多少快適になるものの、必ずしも必要ではないものを指します。たとえば、浴室テレビや自動カーテンはあれば便利ですが、なくても生活に支障はない設備です。本来はなくても困らないのに、あれば嬉しいと思うと、「必須のもの」と勘違いしてしまうのです。
設備や機能が実際にどのくらいの頻度で使われるのかを考えることで、「なくても困らない」オプションを見極めることができます。
「あったら便利」に分類される設備の多くは、設置コストが高い上に維持費もかかるものが多いです。たとえば、高機能な浄水器や自動開閉トイレなどは、初期費用だけでなく、定期的なメンテナンス費用もかさむため、コストパフォーマンスを考えると「なくても困らない」と判断できることがあります。
実際に建てた人が後悔したオプションの実例
実際に注文住宅を建てた方が後悔したというオプションの実例を、その理由とともに詳しく解説します。
フィルターの掃除が手間・浴室乾燥機
浴室乾燥機は「雨の日でも洗濯物が乾く」と便利そうに思えますが、実際にはフィルターの掃除が頻繁に必要です。
特に湿気の多い浴室ではホコリやカビが溜まりやすく、「掃除が面倒で使わなくなった」という声が多いです。また、乾燥機能をフル活用すると電気代がかさむため、ランニングコストも後悔ポイントになりがちです。
費用が高くて他の用途に使いづらい・ホームシアター
ホームシアターは憧れの設備として選ばれることが多いですが、設置費用が高く、その分の予算を他の用途に使えば良かったと後悔する人もいます。
また、設置してみたものの実際にはあまり使うことがなく、「数回使っただけで物置きスペースになった」という失敗談もあります。家族の全員が楽しめるものではない点も要注意です。
デザインが良くても朽ちやすい・木製ウッドデッキ
ウッドデッキは見た目がおしゃれで庭やバルコニーに取り入れる人が多いですが、劣化が早いです。
雨や紫外線による傷みが激しく、塗装や防腐処理などの定期的なメンテナンスが必要になるため、「手間と費用がかかりすぎる」と後悔する人が多いです。
見た目が良いだけ・両開きドア(親子扉)
片方が大きく、もう片方が小さい両開きドア(親子扉)は高級感がありおしゃれに見えますが、実際の使い勝手は良くありません。
開口部の広さによって気密性が欠けてしまう点があります。また、小さい扉を開ける頻度が低く、デザイン重視で選んだことを後悔する声が多く聞かれます。
メンテナンスが大変な設備・床暖房
床暖房は冬場に快適な設備ですが、全室に導入するとコストが高く、さらにメンテナンスも大変です。
配管の不具合が起こると修理費用が高額になることもあります。「リビングだけで良かった」と後悔するケースが多く、全室導入はコストパフォーマンスが低いといえるでしょう。
思ったよりも使いづらい床下収納
一見便利そうに思える床下収納ですが、実際には「使いづらい」という声が多いオプションです。
しゃがんで物を出し入れする必要があるため、頻繁に使うものを収納するのには向いていません。また、取り出しが面倒で「結局使わずに埋もれたまま」となることが多いです。
しかも、湿気がこもりやすく、カビが生えやすいなどの問題もあり、物の管理も面倒です。
冬は寒くなる浴室の窓
浴室に窓を設置するのは換気を良くするためですが、窓があることで冬場に浴室が寒くなるというデメリットがあります。
特に、断熱性の低い窓の場合、浴室の暖房を入れても温まりにくくなり、「窓を付けるべきではなかった」と後悔する人が多いです。
浴室に窓があると、採光性が高まり、明るい浴室空間を作ることができますが、冬場は浴室が寒くなり、ヒートショックのリスクも高まります。
寒暖差で健康にも良くないトイレの窓
トイレに窓を付けると自然換気ができる利点がありますが、冬場は寒さが大きな問題になります。
トイレは小さな空間のため、窓からの冷気で寒暖差が大きくなり、健康への影響が懸念されることも。「換気扇で十分だった」との声も多いです。
結局あまり使わない備付けの食洗機
食洗機は便利な家事アイテムですが、「サイズが合わず、結局使わない」という後悔が少なくありません。
特に、大容量タイプを選んでも家族の食器量がそれほど多くない場合や、手洗いの方が効率的だと感じる場合には、せっかくの設備が無駄になってしまいます。
家具を置きにくい・使いづらい和室
和室は日本らしい空間として人気がありますが、実際に取り入れると「家具を置きにくい」「用途が限定される」と後悔するケースが多いです。
特に、畳は傷みやすくメンテナンスが必要なため、手間やコストがかかります。また、リビングの一部を和室にすると空間の一体感が損なわれることもあります。
失敗しないオプション選びのコツ
家は一生に一度の大きな買い物だからこそ、オプション選びは後悔のないように慎重に進めたいものです。
ここでは、失敗しないための具体的なコツを解説します。
自分のライフスタイルを見直す
オプションを選ぶ際には、現在のライフスタイルや将来の生活を見直すことが重要です。日常生活で何が必要で何が不要かを考えましょう。
たとえば、
・家事が忙しいから便利な設備が欲しい
・休日は家で映画を見る時間が多いからリビングを重視したい
・老後を見据えてバリアフリーにしたい
といった具体的なニーズを明確にすることで、選ぶべきオプションが見えてきます。
費用対効果をしっかり考える
そのオプションが費用に見合う価値があるかどうかを冷静に判断しましょう。「便利そう」と思って導入した設備も、使用頻度が低ければ無駄になります。
たとえば、床暖房を全室に導入するよりも、エアコン1台で全館を温める床下エアコンを導入したほうが、コストパフォーマンスが高くなります。
設備の維持費やメンテナンスコストを把握することも大切です。高性能な設備でも、維持費が高ければ長期的に負担となる場合があります。
担当者に相談する
ハウスメーカーや工務店の担当者に相談することで、オプション選びのヒントを得られます。担当者は多数の施工例を見てきているため、経験に基づくアドバイスをもらえます。
「このオプションは多くの方が満足している」「この設備はメンテナンスが大変」といった情報は非常に役立ちます。「本当に必要なのか?」と感じるオプションについては、詳細な情報を尋ねましょう。メリットだけでなくデメリットを聞くことで、より現実的な判断ができます。
無駄を防ぐための優先順位の付け方
限られた予算内で必要なオプションを選ぶためには、優先順位をつけることが重要です。
各オプションを「生活に不可欠」「快適性を向上させる」「予算が余ったら検討」の3つに分類しましょう。
たとえば、断熱性能の高い窓は必須、浴室テレビはなくても困らないといった形で判断できます。日常的に使う設備や家族全員が恩恵を受けるものを優先するのがポイントです。
代替案を探す
高額なオプションでも、似た機能を持つ代替案がある場合があります。たとえば、太陽光発電システムやエアコンは、設置スペースさえ確保しておけば後から導入できます。
初期費用を抑えたい場合には後付け可能な選択肢を優先するのも一つの手です。ビルトインの収納や設備を選ぶ代わりに、市販の家具や家電で対応する方法もあります。
オプションの大容量食洗機を見送って、市販の小型食洗機を購入することでコストを抑えられることがあります。
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まとめ
夢の注文住宅に理想を全部詰め込もうとすると、いらないオプションまでつけてしまいがちです。あったら良いなと思ってつけてみたものの、実際にはあまり使わなかったと後悔することも多く、予算オーバーしないためにも、本当に必要なのか冷静に見極める必要があります。
今回は、いらないオプションを見極めるポイントや実際に注文住宅を建てた人の声から、要らなかったと後悔しがちなオプションをピックアップしてご紹介しました。
自分のライフスタイルを考え、費用対効果も十分考慮しながら、本当に必要なオプションだけに絞っていきましょう。